そう。 オレには初音がいる。 だから一葉とも誰とも付き合う気なんて全くない。 「……この子ね……」 一葉がオレを通り越して、初音を見た。 初音は顔を上げ、何? っていう顔をしている。 「泥棒猫! あんたね……」 「一葉!」 オレは初音に近づこうとした一葉の腕を取る。 一葉はキッとオレを睨んで手を振りほどいた。