「はつ……」 「響!」 オレの後ろで聞きなじみのある柔らかい声が聞こえた。 まさか……だよな? オレは恐る恐る振り返る。 「もぉ、探したんだからっ!」 一葉<かずは>がオレの腕を引っ張った。 オレは立ち上がり、一葉を見下ろす。 「ね、響、今日ね、中学の友達と会うんだよね。一緒に来て欲しいんだ。ね、お願い!」 一葉がオレの前で手を合わせ、頭を下げた。