オレはもう、思うがまま、初音のことを追いかけていた。


ここでちゃんとあいつと向き合わなきゃいけない。


隼人の事、初音の事……


そして、オレ自身にも。


そんな事が頭を掠める。



屋上に上がると、雲ひとつないすがすがしい青空。


夏の終わりを告げる乾いた風がオレの顔に当たる。


そしてオレの右にはカベにもたれかかってうずくまっている初音がいた。