「ホープの願い、自分の願いだった。願ったのに!ホープ、勝手!」
「そう。私、勝手なの。今までも、好き勝手やってきたもの。」
「なんで勝手したの?」
涙でぐしょぐしょの子供に、胸が痛んだ。
こんな時、私に体があったらなぁ…
「ごめんね?泣かないで?」
それでも泣き止まない。
ホープは観念したようにため息をつく。
「本当はね、私もしてみたくなったの。」
「なにを?」
ホープは、悲しそうだけど楽しそうでもある声で応える。
「誰かを思いやる…ってこと。」
すると、子供はピタリと泣き止んだ。
「やっと泣き止んだわね。」
もう次の人間の所へ行かなくちゃ。
「思いやりをありがとう。貴方のこと忘れないわね。どうか幸せに…。」
そう言い残すと、ホープは子供から離れて行った。
そして、次の人間の所へ向かう。
今度からは意地悪しないで、最初から1つだけを聞こう。
なんて考えながら…


