イールは涙を流した。 そして、閉じていた目を開いた。 「決まったの?」 声が問う。 イールは頷いた。 頬を伝った涙の筋は、もう乾いていた。 「世界に平和を…」 イールはいつものように膝を着いて、手を組んだ。 「本当にいいのね?」 女の子の声には応えず、イールは祈り続けた。 世界の明日を…