そして、乗客に見守られる中でガバッと立ち上がり、無意識のうちに口走った!!


「木いちご新人賞、必ずこの"ケータイ小説作家に恋をしました。"で取る。

そして、シャコに会うぞ!!」


すると、全ての乗客が携帯電話を開き、木いちごの検索を始めた。

検索して見付けた乗客は、表紙しか書かれていない小説を友達に紹介した。


涼太の想いは、本人の知らない所で電波の中を駆け巡り、書き始める前から数千人の読者を持つ事になった。



涼太はそんな事を知るはずもなく、意気揚々とシャコソングを歌いながら、電車を降りていった。


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