涼太はシャココールの大合唱の渦の中、車両から降りた。

当然、涼太と同じ駅で下車する乗客もいる訳で…
この不可解なシャココールは、涼太が駅から離れるまで続いた。


なぜかこの夜、近隣の寿司屋が延々と満席で、いつも干からびているシャコが飛ぶように売れたらしい…



涼太は帰宅すると、一目散に新聞のテレビ欄をチェックした。


「うおぉぉぉ!!
マジで22時からシャコがテレビに出る!!」

涼太は思わず新聞を抱き締めると、テレビ欄に頬ずりした。

そして、更に8畳の居間で新聞を抱き締めたまま、まるで時計の様に頭を中心にしてグルグルと回転した。


回り過ぎて、後頭部から若干焦げた臭いがしたが、あまり気にならなかった。


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