校門を抜け、駅へと続く道の途中で孝志が涼太の肩をポンと叩いた。
「涼太、本当にあれで良かったのか?
あのハニーだぞ!!
お前あんなに好きだったじゃないか…」
「なんでだよ?
俺にはシャコがいるから、他の女なんてどうでもいいんだ…」
その言葉に孝志は大きくため息を吐き、呆れ顔で涼太の正面に立った。
「あのなぁ…
お前な、もっと現実を見ろよ。
シャコっても寿司屋でグルグル回って、干からびてるアレとは違うんだぞ?」
涼太は孝志の今更ながらの話に、少し表情が険しくなった。
「んなこたぁ…
お前に言われなくても、よく分かってるさ!!」
そんな涼太を目の前にしても、孝志はひるむ事なく話を続けた。
「じゃあ聞くが…
お前、シャコに会った事があるのか?
シャコがどこに住んでるのか、知っているのか?
…シャコはお前の存在を、知っているのか?」
涼太は孝志の質問に、口ごもってしまった。
確かにそうなんだ…
孝志の言っている事は間違っちゃいない。
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