その現場周辺にいた生徒達数十名は、固唾を飲んで事の成り行きを見守っていた。
当然、涼太の隣りにいた孝志も例外ではなかった。
涼太は立ち止まって聞いていたが…
再び歩き出すと、すれ違い様に美耶の耳元で小さな声で言った。
「ごめん…」
美耶は予想外の展開に真っ赤な顔をして、校門の方へと遠ざかる涼太の背中に叫んだ!!
「ど、どうして!!」
涼太は肩越しに首だけ美耶の方に向き、透き通る様な笑顔で答えた。
「俺はシャコが好きだから…」
この時、孝志以外のすべての生徒は、奇跡的に同じ事を思った。
「寿司かよっ!!」
当然の様に、美耶も同じ事を考えていた…
「お、覚えてなさいよ!!
私より、寿司の方が好きだなんて…
絶対に私の事を好きにさせて、捨ててやるから!!」
だから、寿司じゃねーって…
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