ケータイ小説作家に恋をしました。


シャコが好きだから、シャコの書いた作品を本当に真剣に読んだ。

シャコが好きだから、シャコの事を想いながら真剣に読んだ。


ひとつひとつに込められたシャコの想いが、徐々に形となって俺の心の中に流れ込んでいたんだ。

それは、最後の1冊"ねぇ…"を読んでハッキリとした。



シャコ…

シャコは泣いているんだな。


シャコは虚ろな空間で、足場のない場所で…

一生懸命に足を踏ん張ろうとして…


泣いて
笑って
泣いて
怒って
泣いて
笑って
泣いて
泣いて



涼太の心にある溢れんばかりのシャコの想いは、浮ついた涼太の想いを洗い流し…

そして、悲しみと痛みを乗り越えていく強さと、それでも満たされない想い…


追い掛けて
追い掛けて
やっと掴んだものが、手の中で崩れていく…

それを必死で作り直す。



シャコも一人の人間なんだと、そんな想いが溢れてきて…

小説を読んだ時とは違う涙が、止めどなく流れて…



涼太は部屋の壁に背中をつけて、膝を抱え込んだ。


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