ボロボロになりながらも、なんとか自宅に帰り着いた涼太は…
本を抱き締めたまま、部屋に入るなり眠ってしまった。



深夜…

涼太は全身がビクッとなって、ベッドに頭をしこたま打ちつけて目が覚めた。


「お、おおぉっ
びっくりした~!!
子供じゃあるまいし、寝ててビクッてするなんて…」


頭を押さえながら身体を起こすと、自分の手元を見た。

そこには、光り輝くシャコの本が!!



こ、これは夢か?
ひょっとして、あの地獄のバイトも夢か?


自分の頬を、思い切りつねってみる…

「痛ててて!!
夢じゃな~い!!」


もう一度、思い切りつねってみる…

「痛ててて!!
やっぱり夢じゃない!!」


もう一度念のため、思い切りつねってみる…

「痛ててて!!
うほほ~いっ!!」



神聖なシャコの本を、汗とホコリにまみれた身体で読む訳にはいかない!!


涼太は急いで風呂場に向かい、身を清めた。

更に仏壇の前で瞑想し、心を沈めると、ついに自分の部屋に戻ってきた!!


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