校舎の2階にある教室に着くと、孝志に自分の席に座らされた。


涼太は呪文の様に、名前を連呼していた…

「シャーコ、シャーコ」


孝志は、涼太の口走る呪文の解読に成功した。

「はは~ん…
お前、あの有名ケータイ小説作家の小説を読んでたんだな?

それで感想か何か入れたが、返事がないってところだろ?」


孝志さん…
あなたは、エスパーだったんですか!?


「違うのか?」


「おっしゃる通りです」


うなだれる涼太の姿を見て、孝志が珍しくマジメな顔をして言った。

「ふぅ…
涼太、お前がどんな妄想を膨らませたのかは、だいたい想像がつくが…

売れっ子作家ってのは、一読者の事なんか、これっぽっちも考えちゃいないんだよ!!

夜中に床の上を、携帯電話抱き締めて、転げ回るのはやめとけ…」


盗撮してたのかお前…


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