金曜日…
ついに新人賞の応募が締め切られ、上位50作品が発表された。



「涼太!!
良かったな、ちゃんと最終選考まで残ったな!!」


下校途中、歩きながら携帯電話の画面を見ていた孝志が、涼太の肩をポンと叩いた。


「ん…ああ」

リアルで既にシャコと知り合った涼太には、新人賞にはそれほど意味はなくなっていた。


ただ…
審査員のシャコが自分の作品を読んでくれて、もし何かの賞をとって表彰式で会ったらどんな顔をするのだろう?

その時自分はいったいどんな顔をしているのだろう…


そう考えていた。


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