もう深夜2時を過ぎていた…


シャコは相変わらず自分の膝に顔を埋め、声を押し殺して泣いている。

涼太は隣で、ただ夜空を見上げていた…



その時、シャコの携帯電話からメールの着信音が鳴り響いた。

ポケットから携帯電話を取り出し、メールの確認をするシャコの表情が見るまに明るくなった。


そして、泣きながらとびきりの笑顔を涼太に向けた…

「携帯の充電が切れている事に気付いていなかった…て!!」


一瞬言葉に詰まりながら、涼太は必死に笑顔を作って答える…

「そ、そう…
良かったじゃん、
早く家に帰って、電話しなよ!!」


「で、でも…」


「お、俺は駅前のホテルに部屋がとってあるから大丈夫!!

いいから、早く行って!!」


涼太は今にも泣き出しそうになるのを、拳を握り締めて耐えながら…
泣いているのか笑っているのか分からない表情で言った。


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