きっと…

シャコの言葉でなかったら、涼太は笑い飛ばしたに違いない。



今朝、彼氏とケンカになり勢いで電話を切ったきり、連絡が取れなくなったらしい…

鼻にかかった声で途切れ途切れ話すシャコの話に、涼太はずっと耳を傾けていた。


シャコにとって一番大切なものは絆なんだ。

ずっとシャコを追い掛けてきた涼太には、それが痛いほど分かっていた…


相手に自分のすべてを…
いや、それ以上を注ぎ込み愛情表現をするシャコ。

止めどない喪失感の中、人との絆を探し続ける…



シャコにとって必要な人は周囲の人達全員だけど、今一番シャコの中で穴を埋めていたのは彼氏なんだ。

俺が埋められる穴なんて、これっぽっちもありはしない…


話を聞いているうちに、込み上げてくる感情を必死で抑え込み涼太は平静を装って駐車場の白線を見つめていた。


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