「なんで…
なんでこんな所にいるの?」


涼太はシャコを見つめ優しく微笑んだだけで、何も言わなかった。


シャコには俺の気持ちは分かるはずだ…

小説で読んだんだ。

ほんの少しの時間の為に、深夜の暗い道をひたすら自転車をこいだシャコには…



シャコはユラリと歩くと、涼太の横に座った。

涼太はそんなシャコに、正面を向いたままで笑顔で言った…


「困った時や泣きたい時は、話くらいなら聞くからって…

最初に約束したよね」


シャコは自分の膝に顔を埋めて、背中を丸くさせる…


.