シャコのメールからは、体調の悪さは微塵も感じられなかった。

それに、仕事が忙しいという雰囲気もまったくなかった…


それなのにイベントを延期するという事は、何か別の理由…
そう、精神的なショックがあったに違いない!!


涼太はそう思っていた。



あくまでも涼太の推測でしかなかったが、シャコは小説でも書いていた様に…

過去の出来事による喪失感や孤独感が、心に大きい傷痕として残っているのだろう。


その穴は…
友達であったり恋人であったり、周囲の人達により塞がれている様に見えても、それはいつも危うく脆い。

その一部がバランスを崩すと、またその傷が疼き始め精神的に不安定になる。


きっと昨日から今日の間に、その一部に異変があったに違いない。



涼太は決心した…


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