もしも…



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お風呂に入るとぐちゃぐちゃだった頭の中も少し整理されていく気がした。


先ほどのお母さんの姿が思い出される。








お母さん…。目が真っ赤だった。きっと泣いたんだよね。
お母さんだってつらい。
そんなこと少し考えればわかるはずなのに…。


…ーーーーううん。
お母さんだけじゃないよ。
お父さんだってつらいんだ。

私だけが…、私ひとりが泣きたいほどつらいわけじゃないんだ。






自分が恥ずかしく思えた。







つらいけど…。
どうしようもなく逃げ出したいほど苦しいけど…
無理矢理にでも前を向かなきゃ。
このまま泣いていたって、
状況が変わるわけじゃないんだもん。頑張れユウ!







バッチーン






自分の両頬を思い切り叩き、
勢いよくお風呂を上がった。