もしも…



部屋を出て下に行くと、
リビングの明かりがついていた。

ガサゴソ音がする。

なんとなくドアのすき間から
部屋を除いてみた。
お母さんがダンボールに荷物を
詰めていた。私に負けないくらいの真っ赤な目をして……。




「あら?ユウ、早いのね。」


お母さんが私に気づいた。


「ん。お風呂入ろうと思って。」


「そっか…。ちゃんと温水器上げて入るのよ。」


いつもならこんな時間にお風呂に入るって言ったら怒るのに。


「……ん。わかった。
お父さんは?」


気になって聞いてみた。


「お父さんは今お義兄さんのとこよ。」


「………そっか。」


私はもう何も聞かず、
お風呂場に向かった。