穂積ゆきは職員室を出ると、あたしに飴玉をひとつ渡して去っていった。


あたしは穂積ゆきがくれた飴玉をくちのなかにほうりこみ、カバンを持つと校門を出た。


「……すっぱ…」


さくらが綺麗に舞い散るなか、すっぱい飴玉をなめ、あたしの高校生活はスタートした。