マネキン

(ガサ……)

布団の中でガタガタ震えていた。
俺の後ろで音が止まった。
マネキンは俺のすぐ後ろまで来ているだろう。


後ろから、誰かに見られている気がした。

“布団をかぶっているから大丈夫”と、ばかなことを考えた。

すると耳元で声がした。
──「裕二」

はっきりと聞こえた。