俺の家は、古い美容院だ。
長い間、お袋と親父でやってきた美容院。


だがある日、あまりに突然の知らせがきた。

(リリリ…)

「電話でてちょうだい!」
お袋は、お客がいて出れないらしい。

いい気持ちで昼寝をしていたのに。
俺は少し苛立ちながら受話器を取った。