賑やかな店内…。流れる明るいメロディー。



漂うドーナツの甘くていい香り。



向かい合って座った私達。



私の目の前には大好きな智也君。



「俺のせいでなかなか会えなくてごめんな…これ、お詫びな。食べよ!」



ドーナツをおごってくれた智也君。



一緒にいるだけで、こんな幸せな気持ちになれる。



智也君がいるだけでこんなにも違うんだって実感する私。



さっきと同じ空気なのに、同じ空間なのに智也君がいるだけで、全然別の感覚になっていくみたい。



「わぁーーい。ドーナツ、ドーナツ♪」



と、喜ぶ私。



「そんなに喜んでくれるなら、俺は毎日琴弥と一緒にドーナツ食べたいよ。その嬉しそうな顔をずっと見ていたいから」



智也君は、そう言って自分の分のドーナツを私のお皿に乗せる。



違うんだよ。智也君。ドーナツが欲しいんじゃなくて、



私の欲しい物は…こうしてね、智也君とこうして過ごす、一緒にいるそんな時間なんだよ。






智也君と一緒にいる私が好き…。






智也君に笑ってもらえる私が好き…。






智也君のそばで笑ってる私が好き…。