静かな智也君の部屋。



智也君の呼吸まで感じそうな空気。



私は智也君のそばに座った。



「話して…私…なんでも聞くよ。それに智也君のどんな事でも知っていたい」



私はまっすぐ智也君を見た。


「琴弥…」


「ん?」


智也君が私を見る。優しい目。



「電話では…ごめんなぁーなんか…びっくりしただろっ…」



そう言うと苦笑いをして、深呼吸をひとつした智也君。



そして、ゆっくり話し始めた。



「俺の妹…舞華っていうんだけど…ずっとなんか悩んでてさ…悩んでるのは俺も知ってて…でも俺にはどうする事も出来なかった…」



「舞華ちゃんっていうんだ」



「そう。俺の2つ下。ってか…家族として一緒に暮らし始めたのは4年くらい前からかな?」



「それって?」



智也君の顔色がまた曇る…。



「再婚同士なんだよ。うちの親…俺は親父の、舞華は母さんの連れ子ってわけ」



「だから、さっきお母さんの事…」



さっきお母さんに似てるって言った私に、智也君はいい顔をしなかったのは……。



そうだったんだ…またひとつ知らなかった智也君の事。



それを実感する私…。