ゆっくりと1つに重なっていく2つの影・・・・・。



私と智也君はもう1度キスをした。



触れるとこんなに近い2人の距離。



きっと…



私は今よりもっと、智也くんの思いに染まっていくから。



だから……離さないでいてほしい。



私を離さないでいて・・・・・繋いだ思いが



このままずっと・・・・・外れないように・・・・・



繋いだ手も・・・・・そのままにして・・・・・



離さないでいて・・・・・。



「あいつ……琴弥の事、好きなんだろ?」



智也君が私の顔をのぞきこむように聞いた。



「あいつって?」



そう……海道貴人の事。



すぐ分かったけど、聞き返す私。




「あの体育祭で琴弥と話してた、あのイケメン…。もしかして…ってか多分そうだと思うけど…琴弥が気になってるっていうのも…そいつだよな?」



智也君と目が合う。



からかうような、それでいて不安げな智也君がいた。