日記は舞華ちゃんの誕生日から始まっていた。


女の子らしい可愛くて小さな文字。


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☆☆☆☆☆8月8日☆☆☆☆☆

今日は誕生日~!お兄ちゃんからプレゼントもらえるかな?もらえたらいいなぁ。お兄ちゃんは優しいからね。きっと私におめでとうって言ってくれる。早くお兄ちゃんが帰って来ないかな…部屋の外から聞こえるお兄ちゃんの声だけは特別なんだ。お兄ちゃん、早く帰って来て!そしたら私にハッピーバースデーって言ってね!!





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☆☆☆☆☆10月21日☆☆☆☆☆

お兄ちゃんに気持ちを伝えたい。もし好きって言ったらどうする?お兄ちゃんは困った顔する?大好き・大好き・大好き!!!もうこれ以上、自分の気持ち抑えられないよ。お兄ちゃん…苦しいよ。苦しくて…どうしたらいい?お兄ちゃん大好き。妹以上にはなれないの?




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何ページも目を通す・・・・・



そんな私を見守るように見ている智也君。








私はしばらく無言のまま、読んでいった。



どのページもどのページも『智也くんの思い』でいっぱいだった。



好きっていう思いがページをめくるごとにあふれ出すように込められている日記。



それは、切ない・・・・・切ない・・・・・片思い・・・・・の気持ち。