「おっ!進んでるか?いよいよ明日だなぁ~。今年は俺のクラスが優勝するって信じてるからな。3年生のクラスはさすがに盛り上がってるようだが、そんなの関係ねぇよなぁ~!」



担任の山城先生もはりきっていて、なんだか嬉しそうに教室を見渡している。



毎年3年生の体育祭への意気込みはすごい。



もちろんそれは卒業を控えた学年だから力も入るんだろうけど。



去年の3年生もそうだったから。優勝した3年生のクラスはみんな涙を流して喜んでいたのを覚えてる。



それを見た時の私はなんで泣いてるのって思ってた。



学校の行事なんか適当にやって、終わって…それでいいじゃんって。



でも今なら私にも分かるかな。



今だから頑張って、今だから一生懸命になれる事を大事に出来るって。



だから、今年はうちのクラスも負けたくない気がするんだ。



「明日、頑張ろうね。とにかく頑張って、結果はその次!まずは楽しむことだよね」



と、私が言うと少し驚いたような顔で日南が喜ぶ。



「そうそう!それが1番!そう思う琴弥はエライ♪」



なんて言いながら私の頭を撫でる。





こんな感じ……なんだか楽しいかも…。



考えてみたら学校が前よりなんだか楽しいんだよね。



少しずつ…そう、毎日、私の周りの景色が変わっていくようで。



目に映る色々なものが、色々な気持ちが変化してるんだよ。



ねぇ…智也君、



あなたに支えられてるだけで私はこんなに変われるんだね。