「はぁ…言い過ぎたかしら…」

シャルアムは庭にいた。
一人で木下に座っていた。

「でも何でいつもウィリアムは
ああなのかしら…昔はもっと…」


その時だった。

「君は過去を振り替えるというのかい?」

その声は木のうえから聞こえた。

「例えそれが希望でなくとも」

「誰…?」

シャルアムは木のうえを眺めた。すると小さな子供が降ってきた。

ふわっと下に舞い降りると目を開いてシャルアムを見つめた。

「やはりボクをおぼえていないんだね」

子供は淋しそうな顔をするとシャルアムを見つめた。

「ごめんなさい…何処かでお会いしましたけ…」

シャルアムは見覚えがなかった。

ボブヘアーの亜麻色の髪…
ブルーの深い瞳…
服装は赤いマントで覆われていて見えない。

急に子供は赤いフードをかぶった。

「まぁ…君にとっては思い出さない方がいいのかもしれない…」

「?」

シャルアムは首を傾げた。
「ボクから忠告!…箱には関わらない方がいい…」


「箱…?」

シャルアムは子供に問い掛けた。

その瞬間だった。
シャルアムの脳内に何かが流れ込んできた。

「…っ…」

シャルアムは頭を押さえた。

「…いやだ…怖い…」

シャルアムは震えはじめた。

子供はハッとした。

「あはは…話しすぎちゃったね…ごめんね…シャル…君は少し寝ていた方がいい…」


子供はシャルアムのおでこをポンっと人差し指で触れるとシャルアムは木の幹に座ってそのまま眠ってしまった。


「…今ボクと会ったことは忘れた方がいい…またね…シャル…」


そう言うと子供は風の中に溶けていった。