あぁ…眠い


いつから僕は−−…




そこは華やかな街の角。

少年は気付いたときには
そこにいた。

不思議なことに
その少年には記憶がない。


名前すら分からないのだ。


何もない少年にひとつだけ
手のひらにあったもの…


銀色の開かない箱。


少年は眠い目をこすると
野良猫が一匹座っていた。



野良猫は一度少年を見ると
そっぽを向いて華やかな街へと姿を消した。