黒アゲハ Ⅲ -運命- 【全完】



「決断、したのね?」


家のリビングに純を招くと、そうお母さんは言った。

その言葉に純は

「はい」

と言い、あたしも頷いた。


「そう」


お母さんはにっこり笑ってソファーに座っている。


純が口を開こうとしたので、あたしは純の手を握って止めさせ「あたし、産みたいの」とお母さんに言った。


「それは、2人で決めたの?」

「うん」

「お願いします」


純が深々と頭を下げ、あたしも頭を下げる。