「なのに桜山はぼろ負け。だから亜欄はあたしを捨てて、どっかに消えた。子どもは堕ろせって言い残して」 「え……?」 「勝ったら言おうと思ってたのに、気付かれてたの。だけど子どもは堕ろさなかった。でもね、今はもうあたしのお腹にいない」 それって… 「流産したの」 そんな… どうして… 「同情した?」 まりはふっと笑う。 「だから幸せそうにしてるあんたがうざいの。目障りなの。って、まぁずいぶん早い登場ね」