黒アゲハ Ⅲ -運命- 【全完】



すると、裕也がくすくすと笑いだした。


「…どうしたの裕也。全然笑うとこじゃないんだけど。大丈夫?頭打った?病院行く?」

「いや…べ、別に」


笑いながら言われても…

説得力ないですが?


「なんかあれだよな」


深呼吸して話しだす裕也。


「昔の純からはこんな生活、考えらんねぇよ」


…そんなに荒れてたの?

純って。


「だってよ、誰にも興味示さなくて無口で無愛想でさ。んのくせ喧嘩強くてカッコよくて、意外と下の奴らまとめんのうまくて。
俺、純に憧れてた」

「俺も憧れてた」


健も懐かしそうに言う。

「…そうなの?」