でも…

あたしだけが知っていたい…とも思う。

あたしだけが知っている彼らを…他の人に知られてしまうのは…
なんだか嫌。


「おい、結奈。どうした?ぼーっとしてっぞ?」

「あ、なんでもないよ」

「早く着ろ」

「うん…」


あたしは普段着に特攻服を羽織り、ベンツに乗り込んだ。


「身体にわりぃんだから少しだけだからな?」

「うん」


クリスマス暴走が、あたしの最後の暴走。

ほんとだったら、あたしも原付の免許とって…

みんなと走りたかった。


でも別にいい。

幸せだもん。

それ以上のことは望まないよ。