季節は初夏。
まだまだ優しい日差し。
でもじんわりと額に汗がにじんだ。
「ただいまぁ」
リビングには家族が勢ぞろい。
「ミルクー久しぶりー」
愛猫ミルクを抱き上げる。
「理沙、ちょっと座って...」
いつになく真剣なお母さん。
「ん。どうしたの?」
「パパが社長なのは知ってたわよね」
「うん」
小さな会社だっけ?
そんなにいい給料じゃなかったらしいけどあたしは生活に困ったことはなかった。
「今全世界が注目してる新機械があって...それに必要な部品を作ってるのがパパの会社で...大手業者10社と契約することになったの」
「そうなんだ...」
________________大手業者と契約...
「って...えぇぇぇっぇぇっぇぇ!?!?」