目がさめたら辺りは真っ暗になってた。
あたし、寝てたんだ。
電源の切られた携帯がソファーの上にむなしく置かれてる。
電源をつけても、翔太からの連絡は来ない。





だったら...こんな携帯いらないよ。






あたしの目からまた滴が零れ落ちた。
涙がかれることはないんだって、あの日奈々は言ってたね。






人間には限界なんてないんだって...奈々は言ったよね。
でも、涙、いつかはかれるよ。
だってあたし...何がこんなに悲しいんだろう?ってぐらい泣いてるの。







もう生きていけないんじゃないかってぐらい、寂しいの。







鳴らない携帯がまたあたしの涙を誘う。
もらったブレスレッドが、またあたしの悲しみを増やす。
捨てられるわけないじゃない。







眠ったら、忘れられるかもしれない。
目が覚めたときには、元通りかもしれない。
恋人ごっこも、翔太も、全部夢かもしれない。