恋人以上、恋人未満。



「りーさ!おまたせ」
「あ、うん」
ほんとに長いトイレだった。
どこのトイレ行ってたのかわかんないけど...
「ほかに見たいもんある??」
「特にないかも」





翔太の左手を握りながら来慣れたショッピングモールをぶらぶらする。
何度も来てるのに...
全部新しく見えて...
周りから見たら恋人なのかな。
なんて考えてしまう。






ちらっと見上げると、驚くぐらいに整った翔太の横顔。
「なに見つめてんだよ??」
ニヤっと笑ってあたしの顔を覗き込む翔太。
「やっ、やだ!見つめてないし!」
顔が赤くなるのが自分でわかる。






「可愛いんだからー♪さ、かえろっか」
さらっと嬉しいひとことを吐く翔太にまた胸キュン。
「う...うん」
好き....。
そんなに文字が頭の中に浮かぶ。





伝えたいのに伝えられない。
こんな気持ち...
初めて______。






伝えたいのに、伝えられない。
何で...?
あたしに勇気がないから??
この距離を壊すのが怖いから?