「理紗ー?どうしたの?」
「何でもないよぉ」
移動教室もぎりぎりまでトイレにこもってた。
翔太といるとつらい...
翔太といると苦しい...
でも、楽しくて幸せ。
今のままずっとこうしてたいの。
この気持を隠せば、翔太はそばにいてくれる。
好きになっちゃいけない。
昔から聞き分けのいい子だったの。
わかってるよ、ダメだって。
だめなことを無理にしたりしない。
小さいころできてたことが今になってできないなんておかしいよ。
我慢できるよ、今も。
まにあうよ、今なら。
今ならこの気持にブレーキをかけられる。
大丈夫だよ。
「理紗、あたしに何隠してるの?」
奈々の声は低くて冷たかった。

