一粒の涙があたしのほほを伝った。
「どうしたの!?」
奈々が心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「違うの...ありがと...ぉぉ」
「なに言ってんのぉ?」
優しく抱きしめてくれる奈々。
それだけであったかくて嬉しくて...
安心した。
「じゃぁかえるね」
「ありがとう」
翔太がドアの前まで見送ってた。
二人きりになったとたん重たい空気に変わった。
「ごめん理紗。おれが迷惑掛けた...ってか巻き込んじゃって...こうなることは想像できたし...」
自分を責め続ける翔太。
「違うの。あたしがついていったのが悪かったの。ごめんね」
「何で理紗が...」
翔太の顔は明らかに動揺してる。
「そんな顔しないで?翔太を困らせたかったわけじゃないの」
翔太のほほにそっと触れる。
「理紗...ごめん」
「もう謝らないで?」
「理紗...」
翔太は静かに...キスをした。

