「「理紗っ!!!」」
体育館裏、理紗はいた。
もちろん桃花も。
「翔太...!!」
俺に駆け寄ってくる桃花。
「さわんなっ!!」
俺は桃花の腕を振り払う。
桃花の顔つきは一気に変わった。
「理紗!?理紗!!理紗ーっ!」
横たわる理紗。
「理紗?」
俺は理紗を見て言葉を失う。
口の端には血が滲み、頭から流血してる。
体のところどころにあざがあって...目には涙。
気を、うしなってる...。
「理紗!起きてよぉ!」
加藤が泣き崩れた。
「おい...」
「あたし...知らない!だって...その子が!」
桃花は今さら自分のしたことに気づいたのか、がたがたと震えだす。
「あんた!何してんのよぉ」
桃花につかみかかる加藤。
「理紗に...あたしの大事な...!!」
「加藤」
「あんたも同じ目にあいなよ!理紗がどんなにいたかったか!」
加藤は思いっきり桃花の顔をグーで殴った。
倒れこむ桃花に馬乗りになる加藤。
「おい!加藤!」
「何でとめんの?!理紗がこんだけ傷つけられたんだよ!あんた理紗の彼氏でしょ!?理紗のことちゃんと守ってよ!!」
「ごめん...加藤。でも理紗はこんなの望んでない...」
「っ.....翔太がいけないのよ」
桃花は俺をにらみつける。
俺は理紗を抱えた...。
「連れて帰ろう。」
思ったよりずっとずっと軽い理紗。
こんなに...傷ついた。
俺のせいで...

