桃花さんは平然と言い放った。
「いやですよ」
「........何で?」
「あやしは翔太が好きだから。翔太もあたしを好きでいてくれる。」
「そんなハズないわ。あなたが翔太に釣り合うと思ってるの?」
「釣り合うとか関係ないんです。確かに翔太はかっこいいし桃花さんはきれいです。二人はお似合いかもしれない」






「わかってるならなんで!!」
「お似合いとか関係ないからです。ほんとに愛し合って、お互いを一番に考えて...心から笑い合えるのがほんとのお似合いだから」
「っ...!!あんたが愛されてる証拠は!?今まで女に興味すら示さなかった翔太が...あんたなんかに惚れるわけないじゃん!あたしがあんたに負けるはずないじゃん!」






桃花さの声を聞きながら、頭には奈々と順平君が浮かんでた。
一番にお互いのこと考えてて...誰よりもお互いを愛してて...。
あたしの理想のカップル。
ほんとに二人はお似合いだと思う。






順平君の隣で幸せそうに笑ってる奈々が大好き。
奈々の笑顔を見ながら優しくほほ笑順平君が大好き。
いつも幸せそうで、あたしのこと心から心配してくれる二人が大好き。







「桃花さんはきれいだしあたま良くて...完璧だと思います。でも何か足りないんじゃないですか?」
桃花さんは顔を真っ赤にして、あたしのほほを思いっきりたたいた。
______パチンっ...
痛そうな音が体育館裏に響いた。
もちろん痛かった。






「桃花の何がだめなの?こんなにきれいジャン!あんたよりずっと努力して...翔太が大好きなのに!!」
あたしはそこからやられ放題。
けられ、殴られ...結構痛い。
やり返したかったけど、弁護士とかでてきそうだし...
翔太に迷惑掛けたくなかった。