「最近王子とどうなの?」
「普通だよー」
「普通って?キスとかしたの?」
また聞かれた。
やっぱりキスとかするべきなのかな。





「奈々は?順平君とどう?」
「んーラブラブだよ♪」
あたしもラブラブだよって答えたほうがいいのかなー?
「いいなぁ」
「ラブラブじゃないの?」
「まだ付き合って3週間だし。翔太忙しいから」
「そっか。何かあったらいいなよ?」
「ありがと!」





こんな時奈々はほんといい友達だと思う。
奈々にほんとのこと言えないのが少しさみしかった。
奈々はいつもあたしの一番の理解者で一番の見方だから。
あたしも奈々のそんな人でありたい。






「王子!!おはようございます!」
あたしと付き合いだしたにしても、王子の人気は相変わらず。
でも『彼女いるから』で何かと断りやすくなったらしい。
あたしもちょっとは貢献してるかな?なんて...。






放課後。
あたしは一週間ぶりに所翔太にメールした。
≪みんない王子とどう?って聞かれまくるんだけど、何て答えたらいい?≫
意外にも返信はすぐに来た。
というか電話。
「はいはい?」
『ラブラブでいんじゃね?』
「わかった。わざわざ電話ありがと」
『いや、俺が声聞きたかっただけ』
少し照れた王子の声。
「そっか。仕事、どう?」
『いい感じ。理紗のおかげで桃花とも必要以上かかわらなくてよくなった』
「よかった。無理はしないでね」





それから他愛ない話を何時間もして、電話を切った。
まるでほんとの恋人みたいだった。