あれから楽しそうに撮影を終えた理沙
カメラマンに深々と頭を下げると
俺にむかって駆け寄ってくる
「お疲れ、すごいよかった」
「ほんと?緊張したよぉ…」
それにしてはすごい自然だったけどな。
でもどこか疲れた表情の理沙。
父さんはそんなのお構いなしに
明日も違うバージョンの
ポスター撮影の予定をくんでる
「理沙、送るよ」
「平気だよっ」
理沙は千恵の存在に気づいたのか
あわてて顔の前で手をふった
「理沙さん、気になさらないで?私、すぐに仕事に戻らなくてはいけませんの」
千恵の笑顔に安心したのか
「じゃぁ、お願いします」
とにっこりほほえんだ。

