「なにそれ?」
『みんなの前で恋人の振りすんの。』
「何で?」
『俺は親にうだうだ言われなくてすむし、お前も告白されなくなる。一石二鳥じゃん』
なるほど...考えたな二宮。
つまりみんなの前で付き合ってる振りをするってことね。






「わかった!する!」
『お、サンキュ!んじゃさっそく作戦立てようぜ』
「会って話した方がわかりやすいよね。部屋どこ?」
『1004。わかる?』
「あ、えッ!?隣ジャン!」
『マジか?どっちの隣?』
「あたし1003」
『今からいくわー』
一方的に切られた電話。
えーーーーっ!?





あた...あたし髪ぼさぼさ!
スウェット!!
やばいやばい!!
あたしは大急ぎで髪をくしでとかして、ソファーにかけてあったワンピースを着た。
散らばってる服をクローゼットに突っ込んだ。





ピーンポーン!
「遅くなってごめんなぁ。部屋のカギ探してた!」
「あ、うん!どうぞ♪」
近くで見るとやっぱりカッコイイ。
電話やメールは普通の男の子なのに...
顔はこんなにもかっこいい。






どういう遺伝子を持ってるのだろう?
なんてばかみたいな疑問を浮かべる。
「中西?作戦どうする?」
「あーどうしよっか?」
考えること15分。





「俺は友達に中西のこと気になってるって言うから、お前は友達に王子のこと好きかもって言え。」
なぜか命令口調の王子の目はキラキラ輝いてます。
すごい名案を思い付いただろ?!
って顔が語ってます。