顔をあげたら目の前には整いすぎている隼人の顔(超ドアップ)。
「は、は、は、はゃとっ!」
「ん?なに?」
少しでも動けば唇がふれそうな距離。
それなのに隼人はいたって普通。
平気な顔してあたしの髪をふいてる。
たまに目があうと「ん?」と首を傾げる。
「何でもないっ」
そういって目をそらす。
何度かそれを繰り返すうちにやっぱり眠くなってきた。
「理沙ぁ、寝るなよ?」
「ぅん~~~」
だんだん隼人の声が遠くなって、パタン…と隼人の胸に顔を預けた。
「勘弁してくれよ…」
こまったように呟いた隼人の声は、あたしの耳には届いていなかった。

