恋人以上、恋人未満。



「どうぞ」
そういってあたしの前にお洒落なティーカップをおいた。
「ありがとうっ」
顔を近づけるだけでほのかに香るオレンジの香り。



一口飲むと、一瞬にして口内に広がるほどよい甘さ。
「これ……ほんとにおいしっ」
「そう?よかった」
そういって隼人は優しくほほえむ。



トクンっと小さく心臓がうずいて、あたしの頬はほのかに赤く染まった。



「理沙、まだ髪ぬれてるよ。おいで?」
隼人は自分の脚と脚の間を指さす。



ん!?
隼人の脚の間にいくの?
あたしが?!
そんなに密着したら、きっと
どきどきして大変だよっ


なんて言えるはずもなく
素直にうなずいて隼人の元へ。






「あっちむいてみ?」
至近距離で聞こえる隼人の低温ボイス。
「は、はいっ」
緊張のあまりなぜか敬語……



「ぷっ。理沙可愛すぎ」
そういって優しくあたしの髪をタオルで包んだ。



なぜだか…隼人がふれてると落ち着いた。
お母さんの胸にいるみたいな…布団に包まれてるみたいな…
そんな感覚。



眠くさえなってきた。
うとうとしてきた時……



「理沙、次こっち」
そう言ってあたしの体を回転させた。