あの日翔太は朝になるまであたしのそばにいてくれた。
千恵さんのメールにも電話にも応えなかった。
あたしへの優しさなのか千恵さんへの罪悪感なのか。
どっちも当てはまるんだろうな...。






翔太はどこまでもいつまでも優しい人だから。








「理沙、おはよ」
「隼人...久しぶり」
今日は隼人に誘われて買い物に行く。
あの日のことは誰にも話してない。
「理沙はいつもどこで服買ってんだ?」
「んー。特にこだわりないかな」
「理沙らしいな」
隼人は笑ってあたしの手を握った。








「ぇ」
「手、つないじゃいけない?」
「ううんっ」
手をつなぐ必要があるのかな?
なんて考えてたらあたしの好きなショップの前。
「ここで理沙が服買ってるの見たことあるんだー」
「ぇ??ほんとに?」







最近このショップきたっけ?
「前、翔太と買い物してたでしょ?」
「ぁ...うん」
でもそのとき...あたしたち知り合ってなかったよね?
「きらきらした笑顔で服を選ぶ理沙を、翔太も嬉しそうに笑って理沙を見てた」
「ぇ??」
「理沙の笑顔を見ておもった」















「かわいいなって」