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「あ、亜也ぁ!」


「真希子。」


呼ばれて振り返る。
そこには髪をくるっくるに巻いたギャル系の女。

この種の女の子を見ると、朝何時に起きてるのかなって疑問に思う。
あたしなんて、起きる時間がギリギリだからいつもチャイムと同時に教室入るのに。
それにあんなに髪長くないからなぁ。
肩に髪がかかる程度の長さだからね、いじらなくても十分平気なのさ。


「亜也、最近ちぃちゃん遊んでくれないの。
私のこと愛してるって言ったのに酷くない?
彼女ほったらかしにして何してるんだろー?」


「…。」


勘違いにもほどがあるよ真希子。君、相手にされてないから。
ていうか、ちぃは「愛してる」なんて常に言ってるのに。
あんなのきっと挨拶と同じなんだよ。
他の子に言ってるとこ見たことないのかな。


「さぁ?本人に聞いてきなよ。」


面倒くさくなって適当に答えると、真希子は「うん」と同意し、ちぃを探しに行った。
それを無言で見送った。



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