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『まあね、人は″違う″ものに敏感だから、ね。』


「…だから人と関わるのが嫌い?」


『根っこにはそれもあるかもしれないね。』


電話の向こうの彼女は笑った。
でも俺は、なんだかやるせなくて。
その綺麗な髪で、どれだけ苦しんで来たんだろう。


『まあ遺伝っちゃ遺伝なんだろうけど、…真っ黒になったりしないかなぁ…。』


「俺はその色、好きだけど。」


『ありがと。別に気使わなくていいよ。』


そんなんじゃない。
本当に、最初はその色に魅かれたんだから。
だから、そんな自分を傷つける言葉を吐かないで。


『…ねぇ千明、私もひとつ聞いてもいい?』


「ん?いいよ、何でも聞いて。」


打って変わって彼女からの質問。初めてだ。
彼女が俺に興味を持ってくれたことが嬉しい。
ベッドに寝転がりながら、次の言葉を待つ。


『千明はなんで私の髪、蜂蜜色っていうの?』




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