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■いつのまにか







気づいたら、俺の基準は君だった。




「…疲れた……。」


俺は部屋に入るなり、ベッドにダイブした。
女といて、ここまで疲れたのは初めてだ。
なんていうか…気疲れ?
他人に気を使うとか…したことあったっけ?


「……携帯…。」


おもむろに、床に財布と一緒に放り投げた携帯を手探りで取り上げた。
二つ折りの黒い携帯を開け、切っていた電源を入れる。


「…。」


電源を入れ終わると、結構メールが来ていた。
計12通。
半分は何故かヒカリからで、もう半分は切ったはずの女から。
切ってからメアド変えたのになぁ、と女たちの行動に関心する。

ヒカリのは量が多いから、何か急用かもしれない。
でも、目を通すのが面倒で、携帯を閉じた。



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