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「映画、結構よかったな。」


「…。」


「杏花?」


「…うん、よかった。
けどちょっと刺激的だった…。」


俺が尋ねると、彼女は少し青ざめながら答えた。


「大丈夫?無理なら無理って言えばいいのに…とにかく休む?」


「うん…ごめん…。」


「いいよ。ほら、こっち。」


少しフラつく彼女の肩を支えるように寄り添う。
周りから見たらカップルに見えるのかなぁと、不謹慎なことを少し考えた。


「んー近くのカフェとかでいい?うまいカフェオレあんの。」


「…苦くておいしいコーヒーあるなら。」


「じゃ、そこね。」


彼女の言葉に苦笑いを返して、それだけ言って歩き出した。



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